近鉄10000系は、世界で初めての2階建て特急電車。7両1編成が製作された。中間3両を3車体連接構造とし、うち2両に2階式展望室(Vista-dome)を設けている。この2階建て車両の階下室の床は、レール面上405mmまで下げた。先頭車は乗務員の安全性と展望性を考慮し600mm高くした運転室である。
また、この車両は国内初の空気バネ台車、ディスクブレーキ、WN継手等あり、サービス面では回転式シート、シートラジオ、列車電話等多くの新機軸が採用されていた。
生産技術
・全車に空調装置を備え、連結構造やシュリーレン型台車などの新技術は、量産車10100系として翌年の1959年に結実した。最高許容速度170km/hの高速性能を有している。近鉄特急のシンボルとなった。(近畿車輌のあゆみ 創業90周年記念)
時代背景
世界初の2階建電車で、以降の近鉄特急電車がビスターカーの名で知られるようになる元となった。