1958年デビューの東急5200系電車は、初のステンレス旅客車であり、初の新造ステンレス車両、初のステンレス電車である。
また、同年汽車製造(後に川重に併合)が国鉄サロ95形(後に153形に改称)900番台の試作車2両をセミステンレス車体として製作した。
これらは、鋼製骨組みに外板のみをステンレス鋼(SUS304)としたセミステンレス車両。軽量性・耐候性などに課題があって本格的な普及にはいたらなかった。(鉄道車両工業449号2009.1 鉄道車両工業449号2009.1P23)
生産技術
<日本初のセミステンレス車体は1953年>
鉄道車両のセミステンレス車体が日本で最初に実施されたのは、1953年、EF10型電気機関車の改造車においてである。これは、関門トンネルの通過による車体の抜本的な防錆措置として、鋼製車体の骨組はそのままとし、外板をステンレスに張り替えたものであった。
時代背景
外板の腐食防止と無塗装化による保守低減が目的。
記事
ステンレス構体の開発の歴史概観
(1)ステンレス合金の開発: 粒界腐食割れという溶接に伴う課題に対処するため、低炭素量のSUSを開発する歴史であった。
SUS301(C=0.12%以下、??1965)、(C=0.10%以下、??1977)、
SUS301M(C=0.08%以下、1978??)、SUS301L(C=0.03%以下、1981??)
(2)外板形状の平滑化の歴史: 車両の洗車のし易さ、デザイン的にすっきりした外観、作り易さを追求する歴史であった。
コルゲート外板(1960??1991)、 ビード付外板(1978??)、 フラット外板(1992?)
(「金属」Vol.70(2000),No.2別冊A)