1927年12月30日、東洋で初の地下鉄が東京地下鉄道(営団銀座線の前身)によって開業した。地下鉄ということから火災になりにくい全鋼・難燃化車輌の導入、警戒色を示す車体色(オレンジ色)を採用した車両を導入。さらに間接照明やATSの一種打ち子式自動列車停止装置を備えるなど、当時の最先端技術を採用している。
本形式は半鋼製をも通り越し、屋根板や内張りまで鋼鉄製とした全鋼製車体が採用された。リベットを縦横に打ち込んだ物々しい外観が目を引くが、これは溶接技術が未発達だった時代ゆえのことである。
もっとも、その代償として自重は大きく増大しており、車体長15,500mm、車体幅2,558mmの比較的小柄な車体で、しかも主電動機が2基搭載であったにもかかわらず、34.8tと主電動機を4基搭載する17m級半鋼製電動車並みの自重となっていた。日車製。
(鉄道ジャーナル2001 No.417)
生産技術
<全鋼製車体 製作>