1904

甲武鉄道初の電車 木製構体

甲武鉄道 電車番号 「ろは」2および4、5、「は」1〜13

記事番号A028

 1895年飯田町〜八王子間を営業した甲武鉄道が、1904年8月飯田町〜中野間を電化(架空複線式、600V)。電車は全長約10mの木製4輪単車。
・2軸車
・GE製モータ:45馬力2個
  または、WH製モータ:50馬力2個
・路線は現在では驚きであるが、主に学生の通勤用で小規模の地方鉄道であったという。

 車体は、自社飯田町工場製。当初「ろは」2、4、5の3両は後のニデ950形。当初「は」1〜13の13両は後のデ950形またはデ963形。いづれも片運転台の制御電車。

 MTM編成で総括制御運転を意図して作られている。MM2両編成または、MTM3両編成で運用されていたが、後に乗客数が少ないことから両運転台式の単車運転を行っているという

生産技術

車体は、長さ10mの木製で自社飯田町工場製。

時代背景

甲斐と武蔵を結ぶ甲武鉄道は、明治22年(1889年)4月、まず新宿〜立川間が開業、続いて同年8月に八王子へ伸びた。1894年に始まった日清戦争で軍隊の輸送に寄与し鉄道が見直され、飯田町まで延伸がなされ、旅客数も伸びた。ここに、1904年蒸気機関に代わって電気鉄道が誕生した。(大成建設 ライブラリ)

  • 甲武鉄道初の電車
    出所 「写真で見る電車の70年 日本の電車」(鉄道図書刊行会)

  • 1904年当時の新宿電車庫
    出所 「写真で見る電車の70年 日本の電車」(鉄道図書刊行会)